退園の際の勤務状況の確認が入園に比べて厳しくない理由

ちょっと時間が空いてしまいましたが、前回の続きです。

フルタイムで働き、入れたくもない無認可の保育所に預け、必死に働いている親がいる一方で、就労状況だけで考えたら本来保育の必要のない親が保育園に子どもを預け、結果待機児童が増えている。

こんな状況に、どうして行政は対応していないのでしょうか?
それは、誰も問題提起をしないからです。

問題提起をしない理由 〜保護者編〜

まず、保護者の観点から行きましょう。
保育園に入れたい保護者としては、条件が緩いのはありがたいことです。
前回も書きましたが、一度入ってしまえば一日一時間の仕事でも預かってもらえるため、育児の負担は軽減されます。
他の保護者も、自分の子が保育園に通えている状況なら、他の方がどんな風に働いているなど別段気にもしませんよね。
また、入園待ちで待機児童を抱えている保護者は、他の方の就労状況など知る方法はありません。
と言うことは、保護者からは問題提起の声は挙がる訳がないですね。

問題提起をしない理由 〜保育園編〜

次に、保育園の観点から見てみましょう。
認可保育園では、入園・退園などの選定はすべて地方自治体などの行政が行うことになっています。
そのため、保護者がどんな就労状況であろうと、行政より退園の通知が来ない限り、子どもを預かります。
私立保育園に限って言えば、途中退園となると運営費が減額され、場合によっては死活問題になりかねないので、退園者への規定が緩いことは逆にありがたいことでもあります。
保育園側に入園選定などの契約権利があれば問題提起もできるのでしょうが、現状のシステムでは保育園から問題提起の声が挙がることはまずないでしょう。

問題提起をしない理由 〜行政編〜

さて、今までの流れを見ると、やはり問題提起をしないといけないのは行政のようです。
実際、問題提起をして親の就労状況を退園の条件に入れている自治体もあります。世田谷区なんかはそうですね。待機児童数全国4位、人数にして700人は伊達じゃありません。

では、どうして問題提起していない自治体があるのでしょうか?
推測はいくらでもできるのですが、いっそ直接聞いてみました(ぇ
職員曰く、こんな理由でした。

  1. 昔から退園時の就労状況の規定がなかったのでそのまま踏襲していた。
  2. 世の中や保育園を新設する流れになっているから。
  3. 子ども子育て新システムの対応の方が忙しいから。
  4. 入園事務を行っている職員は公立園の廃園に伴い異動してきた保育士が多々いるため、保育時間が短くなる就労時間が短い親の方がありがたいと考えているから。

(以上、誘導尋問的に聞き出した内容ですので、すべての自治体および職員がそういう見解ではないことをご理解の上お読みください)


まぁ、ざっとこんな感じでした。

地方自治体は、本当に自治体によって差がありますね。
どうせなら、子ども子育て新システムに盛り込んで、全国的に統一して貰いたいものです。