待機児童問題があるから問題になっていること。

お久しぶりです。前の記事よりかなり期間が空いてしまいました。
秋は運動会やお泊まり保育などの行事や、上半期の決算、事務処理等が多くて時間が取れませんでしたが、今日はちょっと時間が空いたので書いてみました。

今回は、ちょっと不思議なお話をしたいと思います。
通園させている親にとってはありがたい、保育園にとってもありがたい、地方自治体も困っていないし、待機児童が多いために問題になっている、という不思議さです。

それはずばり、『保育を必要とする親の就労状況』についての問題です。

保育園入園の条件

入園には、保育に欠ける子、つまり、両親が共働きであったり、片親であったり、病気や介護を必要とする人がいたり、産休・育休中であったり、家庭で保育をするのが困難と思われる子どもが入園の対象となります。
入園の審査基準はけっこう細かく設けてあり、保護者や子どもの状況に応じて点数がつきます。
点数に応じて、保育園に入園できるかどうかが決まるのです。
なので、今の待機児童が多い状況では保育園に空きがなく、短時間のパートの方や、産休明けすぐに復帰したい、これから仕事に就きたいと考えている方々には入園が難しい状況になっています。
まぁ、これがいわゆる待機児童問題ですね。

ちなみに、以下が東京都で入園待ちをしている親の就労状況です。
就労中(常勤) … 34%
就労中(非常勤・パート) … 19%
求職中 … 36%
出産・看護など … 10%
その他 … 1%
(平成22年度4月調べ)

現在就労中の方が50%を超えています。
認可保育所に入れたいけれども、家庭福祉員や認証・無認可保育所に預けている親や、親戚に預けている親がこれだけいる、ということですね。

保育園『退園』の条件

入園の条件は、皆さんわりとご存じかと思いますが退園の条件ってご存知ですか?
全国一律の基準としては、入園の状況にもあった『保育に欠ける子』ではなくなったとき、または引っ越し等、親の事情で通園が困難になったとき、退園となります。


さて、今回のお話の問題点、それは『入園の際にはフルで仕事をしていたが、途中でパート等に転職した親』の就労条件は考慮されているのか、ということです。
これは、アバウトに行っている自治体がけっこうあり、私のところの自治体も転職時の就労条件については不問になっています。
どういうことか、具体例を挙げてみましょう。


例1)
1、入園の際には、両親ともフルタイムで働いていた。
→保育に欠ける状況のため、高い優先順位で入園が決定した。
2、諸事情により母親が退職となった。
→この時点では求職中扱いになり、期限付きで通園できる。
3、仕事が決まらず、とりあえずパートで働くことに。
→両親が就労しているため、継続して通園できる。


と、まぁこういった状況であれば、退園時の就労条件が不問になっている現状はとてもありがたいことですよね。
とりあえずのパートで繋いで、就職活動を続けられます。


例2)
1、入園の際には、両親ともフルタイムで働いていた。
→保育に欠ける状況のため、高い優先順位で入園が決定した。
2、諸事情により母親が退職となった。
→この時点では求職中扱いになり、期限付きで通園できる。
3、夜7時から2時間だけ知り合いの店の手伝いをする。
→両親が就労しているため、継続して通園できる。


と、日中家にいる場合でも、保育園に通園することができるのです。
これって、みなさんはどう思います?

なぜ問題にならないのか?

現在入園待ちをしている保護者から見たら由々しき事態ですよね。
フルタイムで働き、入れたくもない無認可の保育所に預け、必死に働いている親がいる一方で、就労状況だけで考えたら本来保育の必要のない親が保育園に子どもを預け、結果待機児童が増えている。
在園児の何%がこのような親なのか、具体的な数字は出ていませんが、私の勘だとおよそ5%くらいでしょうか。
100人定員の園で5世帯、ってとこですかね。
保育園の定員数を増やして無理やり詰め込むよりも、こういった方をしっかり調査する方が良い気もしてきます。


さて、大分長くなってしまったので続きは次回に。
でわでわ。