認可保育園の保育料の現状と自由化案について

書くぞ書くぞと言っていてようやく書くことができました。長らくお待たせして申し訳ありませんでした。
でもまずは、保育料の自由化について検討する前に現状の保育料のシステムについてお話しましょう。

保育料の額と徴収方法

現在では認可保育園の入園申し込み、入園の選考・決定、保育料の徴収は市区町村が一括して行っています。
保護者が支払う保育料の額は応能負担と言い、各家庭の所得状況により決定されます。また、子どもの年齢によっても額が変わります。


ここでちょっと脱線しますが、今年、扶養控除がなくなりましたよね。無くなった分増える税額以上に子ども手当を支給するという内容でしたが…気づきましたでしょうか?扶養控除がなくなり所得額が上がるということは、そう、保護者負担の保育料が去年より実質値上がりするのです。
と、言うことは事実上の増税になるやも?って世帯が確実に出てきますね。しかも低所得者世帯に。今度具体的な計算をしてみましょう。


さて、話を戻して以下の区を参考に保育料について計算してみましょう。http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/007/007178.html

年収500万世帯
・家族構成
 父 会社員 母 パート 子 零歳
・年収
 父 400万 母 100万 世帯年収 500万 課税対象 400万
所得税控除
 基礎控除 38万 配偶者控除 38万
 給与所得控除 134万 社会保険料額 約50万
・所得額および保育料
 所得税額 70,000円 保育料(月額) 21,200円  

年収300万世帯
・家族構成
 父 契約 母 パート 子 5歳と2歳
・年収
 父 200万 母 100万 世帯年収 300万 課税対象 200万
所得税控除
 基礎控除 38万 配偶者控除 38万
 給与所得控除 80万 社会保険料額 約25万
・所得額および保育料
 所得税額 9,500円 保育料 8,200円+3,920円=12,120円  

年収800万世帯
・家族構成
 父 会社員 母 会社員 子 3歳と零歳
・年収
 父 500万 母 300万 世帯年収 800万 課税対象 800万
所得税控除
 基礎控除 38万×2 給与所得控除 154万and108万
 社会保険料額 約64万and約38万
・所得額および保育料
 所得税額計 204,500円 保育料 21,600円+12,200円=42,800円  

と、まぁ、ざっとこんな計算になります。
この保育料を毎月市区町村に保護者は支払い、市区町村は税金を上乗せして、保育園の運営費として補助金を支給しているのです。

保育料の自由化について

現在は保育料は一律で決まっていますが、これを保育園ごとに決める、保育料の自由化制度を導入してはどうか?という声がありました。
http://webronza.asahi.com/synodos/2010082300006.html

保育料の自由化をすると、どんな問題が出てくるのか。それは、今まで保育園を選ぶ際に基準にはなかった『保育料の価格差』というものが出てきます。
価格というものは非常に影響力の強い要素です。上記サイトに倣って水を例に挙げてみましょう。
国のさまざまな検査をクリアしたミネラルウォーターが200円で売られています。その横で、自社検査をクリアしたミネラルウォーターが100円で売られていたら、どっちを買いますか?
お財布に余裕があれば、安全そうなこっちにしようかな?という考えも生まれますが、お財布に1,000円しかなかったらどうですか?
大半の人は、あとあとのことを考えて100円のミネラルウォーターを買うと思います。中身に対してはあまり深く考えずに。
そのくらい、価格というものは影響力が強いのです。

さて、そこで「直接補助方式」の登場です。収入の少ない人には毎月100円あげるよ、っていう制度です。
でも、その100円で自社検査の方を買う可能性もあります。なので、もしこの制度を入れるなら『国の検査をクリアした水を買う場合』という条件を入れる必要があるでしょう。

一見、問題なさそうに見えるのですが、実際に保育園に置き換えてみるとどうでしょう?
ここまでで結構長くなってしまったので、保育園に置き換えたときに発生する問題点については、また次回にしたいと思います。
毎回長くなってしまい、また、お待たせしてしまって申し訳ありません。

次回こそ必ずっ!
でわでわ。