公立保育園を選ぶメリットについて。

保育所の施設には、さまざまな種類があることをご存じですか?
認可や認証、無認可などはよく聞くことと思いますが、実はこれらの中でも施設の種類は細かく分かれているのです。
その数およそ20種類。


今日は、その中のひとつである『公立保育園』についてお話したいと思います。


公立保育園は、市区町村等の地方自治体が設置しているものですから、もちろん認可保育所です。(認可保育所は国の定めている基準(施設の広さや、職員の数、資格の有無、保育内容など)をすべてクリアした保育所です。詳細はまた後日)


公立保育園の特徴としては、まず保育士の数が多いことがあげられます。保育士の数は、職員配置基準に基づいて決められます。
以下が、国の定める職員配置基準です。
零歳 3:1  1歳 6:1  2歳 6:1
3歳 20:1  4、5歳(合算) 30:1


公立保育園では、上記配置基準から小数点以下を切り上げした人数の職員配置になっています。以下のような施設を例に挙げてみましょう。
例)定員90名の施設
零歳 10名:3.3人 → 4人
1歳 14名:2.3人 → 3人
2歳 16名:2.7人 → 3人
3歳 16名:0.8人 → 1人
4、5歳 34名:1.1人 → 2人
保育士合計 13人


また、園児数の他にも、以下のような規定があります。
60人以上の施設 → 1人
開所時間(営業時間)11時間以上 → 2人
2階建て施設の場合(公立のみ) → 1人


さらに、とある区を例に挙げると、産休等の欠員補充用の待機職員が、保育所1つにつき2人います。待機職員も、自宅等で待機しているわけではなく、各保育施設で働いています。
さらにさらに、園長、副園長も保育士だった方なので、日常的に保育を行っています。公立の保育園は運営や事務を市区町村の保育課などが一括して行っているので、事務処理はほとんどないためです。


つまり、90名定員の公立保育園(2階建て)では21人の保育士がいるということです。


と、言っても21人が多いかどうか比較対象がないとわかりませんよね。
私立保育園で同規模の施設ですと、保育士数は14人になります。
なんと1.5倍も違うのです!
何故こんなにも差が出てしまうのか。
それは、職員配置の計算方法が公立と私立で異なるためです。


先ほども少し話しましたが、公立の職員配置基準は小数点以下を切り上げています。対して、私立の職員配置基準は小数点以下第二位までを出し、その合計値を切り上げています。細かい計算は割愛しますが、その結果が1.5倍もの職員配置を生み出しているのです。
職員が多ければ、それだけ子どもたちに目が行き届きますので、保護者の方も安心できますよね。もちろん、私立保育園の中にも独自の運営努力で公立なみの職員配置をしている園も多々ありますので、そういった園と比較する際には別の面を見る必要があります。


もう1つの公立保育園のメリットとしては、平均勤務年数の長さがあります。
公立の保育士は正規であれば地方公務員ですので、定年まで働く人がほとんどです。つまり、ベテランの保育士が多くいるということです。
もちろん、私立保育園によっては平均勤務年数が長い施設も多々あります。


なので、メリットで判断がつかない場合にはデメリットで比較してみてください。
公立保育園のデメリットについてはまた後日。


それでは。